カミサマごっこ

徒然なるままに、オタクする。

この青空に約束を(浅倉奈緒子√)感想

 どうも、ななみのです。
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はまた読んでくれてありがとうございます。

 今回は『この青空に約束を』という作品の奈緒子(会長)√の感想記事を書いていきます。

 一応、このゲームは成人向けなのですが、規制対象となるような画像を掲載しませんし、筆者が言及したい点も主にはそこではないです。念のため。

 

作品紹介(ネタバレなし)

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 『この青空に約束を』は2006年に戯画より発売された成人向けゲームです。美少女ゲームアワード2006」の大賞受賞作品(シナリオ賞、主題歌賞、純愛系作品賞、ユーザー支持賞も受賞)であり、後にPS2PSP、vitaにも移植されていますね。

 筆者がこの作品を手に取ったきっかけは、シナリオライター丸戸史明氏であることですね。当ブログでも過去に扱った『パルフェ』や『WHITE ALUBM2』のライターでもあり、最近では『冴えない彼女の育てかた』でラノベ界を席巻した男です。

 

 以下あらすじ

『キミと交わした"あの日"の約束は、いまもこの島に息づいている――』

本州から少し南にある離島。
坂の多い島のふもとからずっと続く石段を登りきると、
下の町や海まで一望できる高台になっており
その高台の上に主人公たちの通う学園がある。
しかし島の産業の大部分を占めていた大企業の工場が来年撤退することになっており、
学生の数は次第に減少していた。
島にあるもう一つの高台の上に学園の旧校舎を改装した寮がある。
寮生の減少にともない現在は主人公とヒロインたちのみしか住んでいない状態だ。
そんな寮になぜかこの時期にやってきた転校生も巻き込み、
時には反発したりしながらもドタバタと楽しい毎日を過ごしていく。

 

PSVita専用ソフト『この青空に約束を―』|ストーリー (entergram.co.jp))から抜粋

 

 ぜひ上のリンクに飛んで、作品の雰囲気だけでもご覧になってください(移植版は成人向けではないため、対象年齢未満であっても閲覧可)。

 ヒロイン全員が載っている画像をネタバレのない範囲内で探しましたが、よさげなのが見つからなかったので割愛です。

 サラッと感想だけ流すと、愛らしくてさわやかな空気感のなかにもシナリオの重みが感じられて、幅広い層に勧めやすい作品に仕上がっているなと感じました。また、BGMも非常に秀逸であり、

 

以下常体。

 

 

 

 浅倉奈緒子(会長)√感想(以下ネタバレ有)

 

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 右側で、主人公・星野航の首を力強く絞め上げているのが浅倉奈緒子。美人という言葉がこれほどよく似合う表情もそうお目にかかれない。いえ、冗談。

 実際、このCGを見たときは笑い転げたもの。だって絵面がやばすぎるから。

 立ち位置的にはお姉さん系であり、元鞘でもある。

 

 さて本題。奈緒子√に関しては概ね満足。結ばれた後のイチャイチャシーンが冗長だというのは個人的な好みに大別されそうなので、ここではノーコメントとしておくが、こんなものなのだろうか(むしろ、さえちゃんや凛奈などのつぐみ荘関係者が納得するための時間として設けられた節もかなりありそう)。

 順番ぐちゃぐちゃに書きなぐっていくと、実は思いのほか驚いたシーンがあって。

 

 例えば、辻崎先輩出しちゃうんだ~とか。まあ、過去に航が面識あったことは明確に言及されてて(というかそれが原因で)、だから出してもいいんだけど出さなくても話自体丸く収まりそうだった。というか出て欲しくなかったというぼくの願望なのかもしれない。軽くNTRじゃん。

 辻崎先輩を出さないパターンだと、ふわっと昔の男がいました~で片付いたりもして。確かにもやもやが残るかもしれないけれど、でも現実的に考えて昔の男全員と面識があるってそれどんな田舎だしってなるわけで。その「どんな田舎」だからこそ成立したお話ではあるんだけども。結局は上書きできるかできないかでしかなくて、リアリティを追求するなら、あえて出さないという選択もあったのだろうか。

 あと、辻崎先輩帰ってきてから奈緒子が失踪して毎夜毎夜山に通いつめているシーン。あそこ、自分のなかでは奈緒子が航の気を引くためにやっているのかなと考えていたんですけど、実際はそんな意図はなくて、本当に辻崎先輩を困惑させるためにやっていたとのこと。本編だけ通すなら辻崎先輩のほうがよっぽど当て馬にされているから彼の方がかわいそうな気がしてくる。

 

 

奈緒子について

 

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 いわゆるモテ子。世渡り上手。隆史さんも言っていたけど、だからこそ他人の好意を軽視するきらいがある。

 けれど、航が綺麗にハマったのもむしろそこで、「簡単になんとかならないからこそ」なんだよね。それは相手を落とすという意味での容易さではなく、相手に嫌われる、幻滅させるという意味での容易さ。つぐみ寮に入り、散々冷徹な素を見せて、ぞんざいにこき使っても航は幻滅してくれない。

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 幻滅してくれないからこそ躍起になるし、躍起になるからハマっていく。本当に上手く噛み合ったって感じ。

 あと、これは超絶妄想なんだけど、奈緒子にとって辻崎先輩はおそらく憧れのようなものだと思う。初恋って言及もあったし、恋愛的な好意がちゃんと確立していたかというのも怪しい。じゃあ、どういう意味で憧れだったかといえば、つぐみ寮を支えて、つぐみ寮メンバーを守るという点に収束するんじゃないかなと。だから辻崎先輩が卒業してから奈緒子がそういう存在になっていったわけで。

 でもでも、奈緒子との初体験の際に彼女が発した「もう好きになっちゃダメだぞ」という台詞そのものが奈緒子の好意の裏返しなんだよね。だって、彼女に好意を抱く男なんて履いて捨てるほどいたわけで、そいつらにいちいち同じ対応をしていたかというともちろんそんなわけなくて。好きになられたら困るのは、奈緒子も好意を抱いているからで、結ばれてしまいたいのは山々だけど、それが許されるような立場にいないという自覚があってこそなのかも。

 

 それから、これどうしても書かないといけないことで、タイミングよかったから言うと、奈緒子√って絶対後半に回した方がいい。なんでかって、海己というメインヒロイン(?)のせいなんですけど。つまり、海己がどういう存在なのかっていうのが暗示的になっているシナリオでもあるなと。んで、他人様のメイン√でそれ垣間見える時点で相当な影響力のヒロインなので、絶対後回しにすべきなんですよね。味の濃いものは後から食べたほうがフルコース全体での満足感は高くなるので。

 奈緒子にとっての航は、航にとっての海己、という解釈は確かに乱暴だとは思うんだけど、庇護の対象であり、「お前のものは俺のもの」的なジャイアン理論からも類似点が結構多いような気がして。もちろん、同じ寮の仲間として海己が奈緒子を見てきたからこそ、奈緒子へ好意は伝わっていると感じ取っていた(女の勘)と言えなくもないんだけど、それだけじゃなくて奈緒子の気持ちになれたから、奈緒子の立場になって考えることができたからこそなんじゃないかなって。

 つまり、奈緒子が航を守る理由≒航が海己を守る理由 と感じたから、海己は航を安心させ、元気づけ、背中を押してあげる役割に徹したんだと思う。だとすると、航の海己への気持ちも全部わかったうえで(しかも奈緒子と引っ付く結果として、いつか自身から航が離れていってしまう懸念も当然あるはずで)、ああいった立ち回りになっているんだから、本当に胸が締め付けられるもんだな。ヒロイン同士の絡みは大好きなので、もう少し掘り下げて欲しかった感は否めないけど。

 真逆のこと言うようだけども、「海己が~」とかたらたら言わないのは奈緒子のさっぱりとした部分で魅力でもあったんかも。そういう部分で現状期待してるのは凛奈なんよな。丸戸系めんどくさいヒロイン部門の血が流れてるの共通のとこからありありと感じられて、プレイするのが楽しみ。と言いつつも絶対海己の話と絡んでくるんだろうなって予想してたから個人的に後回しのつもりだった。そのつもりで奈緒子√いったんだけど過信はよくないね。その意味ではさえちゃんとイチャコラするのが正解だったっぽい。

 

 ということで多忙シーズンなのでとりあえずここらへんで筆を置きます。

 次回は静か宮か、ワンさえちゃんもあるかも。凛奈と海己の出番はだいぶ先なので、ぼくが泣いて悶える姿をどうぞお楽しみにお待ちくださいまし。

 それではまたどこかで。