カミサマごっこ

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パルフェ(かすり・明日香√)感想ブログ

パルフェ(かすり・明日香√)感想ブログ


 どうも、ななみのです。
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はまた読んでくれてありがとう。
 『WHITE ALBUM2』の感想記事からご無沙汰して早一年近く、奇しくも丸戸作品にてまたしても筆を執る運びとなりました。
 この記事のスタンスとしては、「Twitter上では書けないことを残す」というコンセプトがひとつあります。意図は色々ありますが、つまりは当然ネタバレもります。
 そういうわけで、未プレイの場合はブラウザバック推奨です。ではでは早速。


 さて。何から書けばいいことやら。まずはそれぞれ雑多に感想を書きなぐっていきましょうか。

 ●かすりさん√

 一周目、ぼくが引き当てたくじは共通エンドだったんですが、全ヒロインを物色したなかで最も好みに近かったのがかすりさんでした。以前FFの方と話したことがありますが、ぼくは年上の女の子が好きです。しかしながら、それ以上に年上ぶっている女の子が好きなのです。そういう観点からはかすりさんに目が惹きつけられるのも必然的、まさしく運命の出会いというに恥じないのではないでしょうか。
 んなわけで、個別ルートの話に入りますが……かすりさんの話のはぐらかし方が好き(……これ個別の話になってるんでしょうか、甚だ疑問)ですね。つまるところ、丸戸節が著しく好みであるとも言えるわけですが、生憎そんなたいそれたことを口にできるだけの知見はないのでなくなく割愛致します。
 個別のシナリオでいうと、すれ違いから上げていくパターンはお見事。見ていて安心感すらありましたがね。
 後に、かすり√にはもう少し言及しますが、一言でまとめるならば最初に攻略すべきヒロインだと思いました。恋愛塾のくだりは確か共通ルートですが、好きですし、それから『厨房で髪洗った~』の流れもドキドキしちゃいましたね。


 ●明日香ちゃん√

 鬼のように可愛かったですね。ヒロインそのものに関しては好みが分かれるのでぼくの好みに合致したと言ってしまえばそれまでなのですが、背伸びしている思春期の女の子が『琴線に触れる』わけですよ。
 ヒロインが可愛いで終わらないのがパルフェの凄いところで、シナリオの一見ギャグパートに見える部分すらもシナリオ本体をばっちり引き立てているわけですよ。
 それが特に顕著なのが、個別でのお正月のくだりに端を発す『キスから前に進めない』騒動です。明日香がファミーユへの思い入れを積み重ねるためのイベントにも映りますが、意図的に仁と明日香の恋人らしさを封じることで、より明日香の想いを煽っています。本来ならば最終的に到達した「自然体で進んでいく」的な方針にサクッと流れても無理ないわけですよ。実際、仁は明日香に惹かれながらその劣情を持て余していましたし、しかし自身の立場との間で葛藤もしていたわけです。そんな彼からすれば「高校生の明日香に合わせてゆっくり進んでいこう」なんてあつらえ向きな結論、もっと早く辿り着いて然りなんです。
 それでも、仁が実際に辿ったのは映画館で感情を爆発させたりなど、全く逆方向で、結果としてギャグパートは明日香の感情以上に、仁の劣情を高めていたとすら言えると感じましたね。しかしながら、その逆噴射的な要因でラストに至れているわけですので、踏ん切りをつけるためには正解択を引いていたんだなあと。
 あと、明日香ちゃんの告白台詞好きすぎました。『ワンツーフィニッシュ』のくだりからの。
『雪乃明日香は、ごく普通に……統計的に見ても、当たり前のように……自然に、あなたを好きになりました』
 ……名告白すぎひんか? 5億点満点です本当にありがとうございました。


 ●パルフェという作品と夏海里伽子という存在について
 この作品を完走したオタクは好むと好まざるとにかかわらず、その大半が夏海里伽子の名前を出します。いつか、そう遠くない未来にこのブログでも触れることになるでしょう。共通ルートでぼくが垣間見た彼女でさえ、その印象は鮮烈であり、かすりや明日香がド直球に可愛さを前面に押し出してきたのとは一風どころの騒ぎではないレベルで雰囲気が違いました。
 そう、ここで挙げているのは「ヒロイン」としての夏海里伽子ですが、それはあくまでもプレイヤーのぼくら目線、仁目線での話ですが……この世界にはぼくら以外にも多くの人間がおり、かすりや明日香もそのひとりに漏れません。
 そして、パルフェのオープニングが流れるのは由飛との邂逅直後だったと思いますが、外様の彼女と違い、特にふたりは夏海里伽子という人物をよく認識しています。元同僚として、それ以外の「女」として……。
 少々迂遠な言い回しになりましたが、里伽子は自身のルート以外にも大きな爪痕を残しています。それは特にかすりのルートで顕著です。
 かすりと付き合い始めの頃、バレンタインの新商品について仁はいつものごとく里伽子に相談します。しかし、かすりからはそうは見えなかったようで……という流れでふたりのすれ違いが発生します。
 それでも、少し冷静になって考えてみると疑問に思うわけです。あまりに嫉妬の振れ幅が大きやしませんか、と。仮に里伽子が元鞘的な存在だったとして、かすりと付き合う前から仁が里伽子に相談を持ちかけることも、ふたりで話していることなど日常茶飯事だったわけです。明日香のように、恋人関係を強くプッシュしていたのならまだしも、関係性すら確立していない状況で嫉妬を露わにするには少々動機が弱く感じます。
 ところで、かすりと明日香に共通することですが、ふたりは仁にとって、無条件で都合のいい女「でした」。かすりはお姉さんとして軽口を叩き合う立場。明日香は部下として、教え子として物分かりのいい子で。そして付き合い始めてからもそれぞれが自身のキャラクター性に固執しつつも満たされなさを覚えていきます。ふたりともが、言い換えるなら心地が良い存在、関係性でした。でも、その空気感は恋愛へと一歩踏み出せば瓦解し始める……ともすれば弾き出される答えなどひとつしかありません。
 完全に妄想になりますが、里伽子に対してヒロインレースで遅れを取っている状況で、それでも仁に想いを寄せていたかすり、明日香はいつしか自身で在ること以上に仁にとって心地よい存在を無意識に目指していったのではないでしょうか。なにせ、その立場だけは仁にとって里伽子では埋められないポケットで、同時に恋愛関係へとステップするにあたっては崩壊をしいられる蜜だったわけですから。
 と、ここまでたらたらと妄想をお送りしてまいりましたが、物語開始時点から夏海里伽子パルフェという作品そのものを歪ませるレベルで大きな影響を与えていると言っても過言ではないでしょう。
 なぜかすりが年上の経験豊富な立場に拘泥したのか、どうして明日香は『せんちょ』であることにしがみついたのか。最後には――部分的に手放すに至ったのか。
 すなわち、個別ルートは夏海里伽子という呪いから仁が逃れるまでのシナリオで、だからこそ彼女と戦うために生み出した武器を地べたに置くエンディングが用意されているわけです。
 一般に、呪いを解くにはふたつの方法があります。
 ひとつは、より強力な呪いで上書きする方法。これこそがかすり・明日香√の正体だと考えました。
 そしてもうひとつは……術者本人を倒すという方法です。そのまんま、里伽子を苦略することにありますね。里伽子√です。
 前者と後者の決定的な違いは、術者と関わらずに済むかそうでないかです。だから、両ルートにおいて里伽子の介入は驚くほど、意図的に少ないですし(それでも明日香ルートでは敗北宣言をするために登場するのですから、よほど彼女の存在は意識されているのではないでしょうか)。
 しかしながら、ここまで読まれた諸兄はこうも思われたことと思います。

「……火力ぶっぱして術者しばいたほうが早くね?」

 ……気持ちはめっちゃわかりますね。かくいうぼくも、最初の草むらでゴウカザルにまで進化させたこともあります。おっしゃる通りだと思います。
 ただし、抜け落ちている点があります。
 ひとつは「……そもそも火力足りてんの?」ってことです。要するに、ヒコザルゴウカザルにまで育てるだけの経験値が不足しています。言いかたは悪いですが、前者での解呪が邪道的な立ち位置にあるのであれば、それらは経験値を積むための戦い、パルフェの世界をよりよく知るための戦いなのでしょう。
 もうひとつは「……てか、ただクリアするだけでいいわけ?」ってことです。最短距離をRTAするだけがゲームじゃないです。ノベルゲーのようにシナリオをある程度
重要視しているコンテンツであればなおのことで、ゲームクリアと同等レベルで丸戸先生がプレイヤーに伝えたいことがあるんじゃないでしょうか……という憶測。こちらに関しては里伽子√をやってみるまでは半信半疑ですがね。
 ですが、ここらへんが重く扱われているのであれば、攻略推奨順を頻繁に耳にすることにも頷けます。

 等々、パルフェというゲームにさらなる期待を寄せたところで眠くなってきたのでいいさここらでちょっと筆を置きましょう。
 次は由飛ちゃん、カトレアルートかな? また会いましょう。